興徳寺の情報交流

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興徳寺の情報交流-住職のひとりごと

第81号(復刊第6号)平成20秋お彼岸


【イラスト 野村温子さん 】

 毎年のことではありますが、お盆が終わって、秋のお彼岸までの時間が短くて、この『興徳寺便り』を仕上げるのにフーフー言ってます。
私が作業しているこの部屋は、風通しが悪く、頭がボーッとしてきます。
どうして日本の夏はこうも蒸し暑いのでしょうか?
幼かった頃の夏の記憶は、富士山の上に入道雲、大きなひまわりの花とせみの声、だったのに、今年の夏は富士山も入道雲もほとんど見られませんでした。何かが変わってしまったような気がします。

 さて、今回すべての皆様に一冊の本を同封しました。「クマと もりと ひと」という本です。
3ケ月ほど前のことですが富士市で開かれたある講演会で、この本の著者、森山まり子さんの話を聴き、大変感動して、これは一人でも多くの人に伝えてやりたいと思い、注文いたしました。

 私にとって30年ぶりの故郷は、山も川も人も、そのままでしたが、どこかが違う。秋に紅葉がなく、春にまるで山火事のようにスギ花粉が舞う山は、やっぱり変だと、感じました。
いのししが畑を荒らす話など、小さい頃は聞いたこともありませんでした。
折りしも『ギフチョウの会』と知り合い、メンバーに入れてもらってからは、興徳寺の裏山をムカシながらの雑木林に戻して、お寺の境内にギフチョウが舞うことを、私の生涯の夢としたいと思うようになりました。

そんなときに、この講演会と出会ったのです。
私が特に感銘を受けたのは、「広葉樹の大量の落ち葉をくぐって森の中にいったんしみ込んだ雨水は、何十年後かに湧き水として出て来る」という話で、このまま放っておくと、川の水も減っていく、ということを知りました。

 少し、暗い話になって恐縮ですが、最近、強く意識することは、自分の命はいつまであるのかまったく分からない、ということです。
私は今、五十八歳ですが希望的観測として後20年位は現役を務めたい、悲観的見方では、明日でもいいかと思います。ご存知の方が多いと思いますが、私の弟は四十八歳で即死、これは事故ですが、妻の場合は、くも膜下出血という病気で、これも一瞬のことでした。五十二歳です。
彼らはいずれも少なくともその10分前まで、笑っていたのです。
だからこそ思うのです。
今、生かされているということはありがたい。そして今できることは今、具体的な形にしてゆきたいと・・・

 同封しました小冊子のサブタイトルは 「愛は、言葉ではなく行動である」全く同感です。

 今回のイラストは、芝川在住の水墨画の野村温子さんにお願いいたしました。
私の『後ろ姿』だそうです。
ちょっとカッコよすぎないか? とも思いますが。ありがとうございました。