興徳寺の情報交流

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興徳寺の情報交流-紙上法話

第92号(復刊第17号)平成23年お盆

サウイフモノニ  ワタシハナリタイ  南無妙法蓮華経

雨ニモマケズ     宮沢賢治

雨ニモマケズ
風ニモマケズ
雪ニモ夏ノ暑サニモマケヌ
丈夫ナカラダヲモチ
慾ハナク
決シテ瞋ラズ
イツモシヅカニワラッテヰル
一日ニ玄米四合ト
味噌ト少シノ野菜ヲタベ
アラユルコトヲ
ジブンヲカンジョウニ入レズニ
ヨクミキキシワカリ
ソシテワスレズ
野原ノ松ノ林ノ陰ノ
小サナ萓ブキノ小屋ニヰテ
東ニ病気ノコドモアレバ
行ッテ看病シテヤリ
西ニツカレタ母アレバ
行ッテソノ稲ノ朿ヲ負ヒ
南ニ死ニサウナ人アレバ
行ッテコハガラナクテモイヽトイヒ
北ニケンクヮヤソショウガアレバ
ツマラナイカラヤメロトイヒ
ヒドリノトキハナミダヲナガシ
サムサノナツハオロオロアルキ
ミンナニデクノボートヨバレ
ホメラレモセズ
クニモサレズ
サウイフモノニ
ワタシハナリタイ

南無無辺行菩薩
南無上行菩薩
南無多宝如来
南無妙法蓮華経
南無釈迦牟尼仏
南無浄行菩薩
南無安立行菩薩

 

岩手県花巻市出身、宮沢賢治の詩、
「東日本大震災」の被災者の方たちを励ます言葉として、よく朗読されています。
 誰でも一度は聞いたことのある詩ですが、原文の最後、「そういうものに私はなりたい」に続けて、法華経のご本尊が記されている事は、案外知られていません。

 宮沢賢治は熱心な法華経の信者でした。
お経の中の「常不軽菩薩」という仏さまと自身を重ね、デクノボーと呼びました。

常不軽菩薩は「私はあなたを深く敬います。どのようなことをしても軽蔑しません。
何故ならあなたは、仏さまになられるお方だからです。」と、だれにでも合掌して拝みます。人々は気味悪がって、石を投げつけますが、それでも離れて合掌し、同じ言葉を繰り返しました・・
『常不軽菩薩品第二十』より

この詩の大切なところは
「行って・・・」という言葉。
今、困難な状況にある身近な人に、まずは自分がそこに行って、できることをさせていただく。
ほめられるためでもなく、
かといって、押し付けでもなく、
あくまでも謙虚に取り組んでゆくこと、
それが菩薩の誓いであり、賢治の願いです。

「世界全体が幸福にならない限り、個人の幸福はあり得ない」
と 賢治は考えました。

今回の大震災を機に「今、私にできることはなにか?」
「どういう人になりたいのだろうか?」を、改めて考えてみませんか?


【写真提供 高瀬幹雄】