興徳寺の情報交流

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興徳寺の情報交流-紙上法話

第99号(復刊第24号)平成25年春お彼岸

あなたの手をにぎろう あなたの手を握り返そう

握手

握手をしよう

あの日から
変わってしまったこと

少しも変わらないこと
その両方を

お互いの手にこめて

固く
確かめ合おう

僕らの
故郷のしるしを

 雲が浮かび
 木々が芽吹き
 川が流れ
 鳥がさえずり
 山はゆるがない
 やがて
 花が咲く

あなたの手は
わたしの手を握る

だから
あなたの手を握ろう
あなたの手を握り返そう

和合亮一著 「ふたたびの春に」より

和合亮一(わごうりょういち)さんは 福島市在住の詩人。高校の国語教師の傍ら詩作活動を行う。東日本大震災で被災し、現場から詩を発信し続け大反響を呼ぶ。著書多数

 

 東日本大震災から 間もなく二年を迎えようとしています。
亡くなった方・行方不明者の総数約二万人というまさに未曾有の大惨事に、私たちはそれぞれの立場で「今自分にできることは何か?」と真剣に考えました。多くの方が、募金活動に協力し、エネルギー問題に関心を持ち、節電等にも積極的に取り組みました。

あれから二年、何がどう変わったでしょうか?

日蓮聖人、立正安国論(りっしょうあんこくろん)の一節
『汝、信仰の寸心(すんしん)を改めて、速やかに実乗(じつじょう)の一善(いちぜん)に帰(き)せよ。 然らば即ち三界(さんがい)は皆仏国(ぶっこく)なり』

――今まで当たり前と思ってきた考えを改め、自己反省しなさい。
今行っていることは 他の人々の幸せにつながっているだろうか?すべての人々が他人を思いやる気持ちで行動できたとき 本当の平和がおとずれるのです ――(泰然意訳)

 あの時の衝撃も、被災地への関心も、何かをしなくてはという気持ちも、少しずつ薄れてきているように思えます。されど復興は遅々として進まず、そして、忘れてはならないのは、今なお三十一万人の方々が不自由な避難生活を余儀なくされており、そして、今後の見通しもたっていない、という事実です。

 二年という節目に、もう一度、あの震災を思い起こし、あの日から変わってしまったことと、変わらないものを見つめ直してみませんか?

 差し出された手を握り返せるよう・・


地盤沈下した墓地に真新しい墓石が・・ 東松島市にて
【写真提供 高瀬幹雄】