山寺の
和尚さん日記

雨止み施餓鬼の灯、芝川へ

8月16日の恒例行事 「川施餓鬼」、
1昨年前まで続けてきた子どもたちを集めてのイベントは今年も中止としました。 ただ伝統行事である「タイマツ」だけはどうしても実施したく、規模は20基に縮小して実施することとしました。(全盛期はタイマツ120基でした)

タイマツへの採火は昨年と同様「施餓鬼法要」です。

 

「餓鬼」という世界に堕ちて

苦しんでいる霊に、お経と飲み物・食べ物を施すことで自分自身の功徳をいただく、という行事です。

「おせがき」とも呼ばれ、法要としてはかなり大掛かりなものです。 他の宗派のことは分かりませんが、日蓮宗の法要様式のすべてが盛り込まれています。
弟子・泰潤をコーチに特訓をしてもらい臨みました。

 

「散華」という所作、紙で作った花びらを散らす華やかなシーンです。

「行道」、食べ物・飲み物などが供えられた「施餓鬼檀」の周りをお経を唱えながら3周・・・
正面でそれぞれ 幡(はた)、水、香、を施す。

日本列島の南に前線が停滞し、8月11日頃から連日の豪雨、各地に大きな被害をもたらしました。
そしてこの前線がまるで梅雨時のように停滞したままで、天気予報も本番当日も含めずっと☂マークが並んでいました。

迎えた当日、朝から雨・・・

14時にスタッフがタイマツ製作のために集合、ありがたいことに「本当にやるの?」などと誰一人言わず、屋根の下で楽しそうにタイマツを作り始めたのです。 これは本当に嬉しかった、できない、という気にならなかった・・・ 思い返しても不思議な気持ちです。

 

法要の開式は16時半、その時点で雨が降っていました。

17時半から「法話」、その時点でも雨でした。 

「法話」を始めるときに言いました。
「タイマツ予定の18時に降っていたら、私と泰潤の二人で傘を差し、お経を唱えながら川まで行きます。降っていなかったら予定通り行います」

18時、法話終了、本堂入り口近くに立っていたミキオちゃんに訊きました・・・
「雨、どうですか~?」
「降ってませ~ん!」
「ハイ、それではタイマツに点火します。準備してくださ~い」

もう本当に心ワクワクです。

法要の灯をいただき、本堂前で点火します。

 

 

 

芝川河畔で焚き上げる。芝川はかなりの水嵩でした。

翌日からまた雨が降り始め、この「タイマツ」の時だけが止んでくれた。
まさに奇跡のような3時間でした。

私の記憶の中で、雨でタイマツが中止になったことはなく、それだけに今までのなかでももっとも嬉しい「川施餓鬼」となりました。

「守られている。」 と改めて思いました。

添寝

8月3日夜、母がトイレ前で転倒しているのを発見、左手肘上の皮膚が剥けてかなりの出血、手首がかなり腫れている。

翌日、病院で診てもらうと、手首の骨にひびが入っているとのこと。

左手が使えなくなって、完全介護となりました。 私にとっても初めての経験です。

それまでは母のベッドの下にフトンを敷いて寝ていたのですが、それでは夜中のトイレが気がつかないので、結局母のベッドで添寝することにしました。 ベッドは特注のセミダブルサイズですが、いつものように母は真ん中で寝ているので私のスペースはギリギリ肩幅くらいです。

最初の晩、母の横にそっと体を滑らせ天井を眺めながら思いました。

おそらく妹が生まれる前の年まで母が私に添寝してくれたのであろう、それから70年、今、私が母に添寝している。

こんな体験、なかなかできるもんじゃない。

何とシアワセなことか・・・ 世の中、無駄なことはない、と今回も学びました。

彼岸花

例年9月20日頃見ごろを迎える彼岸花ですが、昨年の開花は、大幅に遅れて9月末でした。

気の早い花がポツポツ咲いています。

これから一斉の草刈りをします。 その後、つぼみが出てきたころに当ブログにて開花予想をいたします。

昨年も檀家さんの佐野和正さんが集めてくれたかなりの数の球根を、市川建男さんが植え付けをしてくれました。

1昨年植えたものも定着してくれているはずなので、今からとても楽しみです。

近くの方、どうぞお出かけください。

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