山寺の
和尚さん日記

伊豆一周バイクツーリング

7月の第一週は 北海道に行こう、と計画し 母のショートステイを予約したのですが 日程的に2泊3日が取れず 断念!
それで 1日だけ、どこかに行ってみようと 思いついたのが ”伊豆半島一周ツーリング” でした。
近くに住んでいますが きっちりと一周したことはありません。

朝4時半に出発し、まずは 東海岸 ”熱海” を 目指しました。 雨がしょぼしょぼ降っていましたが、予報は 昼から晴れ、 そこを信じてはおりましたが、 何とも寒かったこと・・・  海が見えた時は ほっとしました。

”城ヶ崎”で 雨が止み・・・
 

”下田” の街。 初めて訪れましたが、 歴史と情緒とロマンを感じさせてくれる とても魅力的なところ、 
出会った人がまた とても いい方ばかりで・・・ 下田が 歴史の中で果たした役割を知り、”唐人お吉” の悲哀に胸を痛め、気がついたら 2時間以上も滞在しておりました。


最南端、 ”石廊崎”
灯台までは 15分ほど歩かなければなりません。


”石廊崎”を過ぎて 海を左側に見ながら 気持ちよく走っていると 不思議なものが・・・

「何? グライダー?」 思わずバイクを停めて よく見ると かなり大きな模型であることは分かったのですが 一体どこでコントロールしている?・・・ Uターンしてみると 大型のキャンピングカーのような車が数台、 そこから断崖を登りつめると・・・ いました! 大きなグライダーを飛ばしている おじさんたちが・・・
草むらに 彼らの愛機が・・・

「これ、いくらくらいするんですか?」 「まぁ 25万から40万くらいかな~」 「えぇ~ッ 墜落することなんてないんですか?」 「あるさ~」 「もう何機も壊したんですか~?」 「何機って ケタがひとつ違うよ~」 「ええぇ~ッ! じゃ、もう1千万円くらい使ったんですか~?」 「ま そこまでは いかないけどさ かなりだな~」

この崖から 海に向かって グライダー(=25万円)を投げる・・・ 相当な勇気が必要と思われます。 
「だから 一人じゃできないよ」 誰かが見ていてくれると、勇気がでるのだそうです。 なんとなく わかるような気がします。



聴こえるのは 翼が風を切る音だけ・・・ 旋回、錐揉みと 自由自在に操るまで 10年だそうです。 皆、東京の方で 月に1回 2泊3日で 日本中のポイントに出かけ 飛ばしているのだそう。 何ともぜいたくな 遊びです。 
「だから若い奴じゃできないさ~」 
皆70歳は超えていると思われましたが イイお顔でした。

ここからは 西海岸を北上して 大瀬岬を経由して 帰路。 興徳寺に戻ったのが19時。 走行距離340kmでした。
伊豆は 海、というイメージがありますが 実際はほとんどが山、 わずかな平らな土地には米が植えられています。

私たちの地域と比べても 過疎化が進んでいて 高齢者の比率もとても高い。 そんな中で がんばっている若者がいました。 
守るべきは守り、手を加えるところには手を入れ、 良き未来を共有したいと思います。

*7月10日は 弟の13回忌でした。
 あの衝撃から12年。 新たな ステージに立って 12年です。
今回の人生の最後に 坊さん という役目を与えていただけたことに 心より感謝!
より高く、より深く、気負わず 次なるステージを目指します。