山寺の
和尚さん日記

僧侶の役目

暮れのお経廻り、当初予定では昨日で終了のはずでしたが、途中で 葬儀が2つ入って、後2日かかりそうです。 
スタートした頃は 「暖かな冬」という印象でしたが ここにきて寒波が押し寄せ 朝は どこもバリバリに凍っています。 
バイクに乗っている私に 檀家さんが「寒くないですか~?」と声をかけてくれますが  
「これも修行ですから~」 と答えています。
 
坊さんは すべてが 「修行!」 ありがたいことです。
  田んぼが凍って バリバリです

葬儀のひとつは 静岡市に住む 母の妹でした。
泣きながら妹の顔を撫で、「アタシももうじき行くから 場所取っててネ~」と何度も・・・ 
母は10人兄弟の長姉ですが 3人に先立たれました。 自分より年下の者が逝くというのは やはりショックのようでしたが、そこはまた認知症の良いところで 久しぶりの他の兄弟との再会に 満面の笑顔。
                      冬に咲く なでしこ



ある檀家さんから「母親が95才、施設に入居しているのだが そろそろ その日のことを考えておきたい」、との相談を受けました。
希望は「家族葬」、 一人暮らしの母親の面倒をみるため 数年前に越してきて ご近所とあまり馴染みもないことと、経費をできるだけ抑えたい、というのがその理由です。
「お母さんの気持ちはどうなんですか?」 と訊くと、 「やっぱり あまり迷惑はかけたくない、と言っている」との返事。  直接 お付き合いされた方たちも ほとんどが他界されたか 超高齢者、 その下の世代とは付き合いがない、と・・・ 
「でもお母さんは 今まで周りの方とお付き合いをしてきたのだから、お香典を拒否すると 相手が逆に困るのでは?」 
「でもここで頂いてしまうと また次の付き合いが始まる訳で・・・」
家族葬は 規模は小さくとも 祭壇や諸施設の使用料などそれほど変わらず、経費面で期待するほどの節約につながらないばかりか むしろ香典が入らない分 一般葬よりも費用負担が増えることも多い、又、親しかった方、世話になった方から 「知らせて欲しかった」 と葬儀後に苦言を呈されるということもあります。
他人に迷惑をかけない、という姿勢は大切ですが お世話になって 借りを作ったら 今度はその借りを返してゆく というような 「持ちつ持たれつ」の 生き方こそ、踏襲していって欲しい・・・ と私の意見を述べさせていただきました。


すべての使命を果たし 新しい世界へ旅立って逝く霊が発するメッセージを受け止める場としての 通夜~葬儀であり そこに僧侶の存在理由がある、と思っています。
  
外のトイレを リフォーム。
和式トイレひとつだったのですが
洋式+男子用 とし
全体を明るく仕上げました。
この 手洗い用の  流し は
檀家さんの リフォーム会社
佐野茂さんの オリジナル
何とも 可愛らしいセンスに
大満足! です。