山寺の
和尚さん日記

ジャナウーバ市長

先週の ちょっと肌寒い朝、朗報が飛び込んできました。
ブラジルの友人からのメールで 山田勇次さんが 市長に当選したという報せでした。
感動で いっぺんに熱くなりました。




山田勇次さんは ブラジル盛和塾の仲間で バナナの生産業者です。 
ブラジルでは バナナ王、として知られています。 王=キング と呼ばれるくらいだから 相当なものだろうとは 思うでしょうが どれくらいすごいのかというと・・・ 
所有する土地が1万ヘクタール(山手線の内側の面積が 6,300ヘクタールだそうです)そのうちの2700ヘクタールでバナナを生産し、従業員がナント2000人。



山田さんは 北海道出身、13歳のとき 両親・家族とともに 農業移民としてブラジルに渡りました。 サンパウロ市近郊のレジストロという所に入植しましたが 不慣れな土地で 人に騙され、莫大な借金を負い、しかも父親が2年後に他界。 一家を支えることになった長兄との折り合いが悪く、川沿いの誰も見向きもしない土地を借りて バナナを植えたのだそうです。
バナナの品種にこだわり また当時その地方で誰も栽培していなかった マラクジャという熱帯果実を栽培して これが 大ヒット、いわゆる成功者となりました。 

 これが マラクジャです。
ですが 子どものころ 夢にみた どこまでもまっ平らな地平線が続く土地で バナナを栽培してみたい、と ブラジル中を 旅し、そして 1300km離れた現在のジャナウーバ市へ移り住んだのが 30年前、 
家も土地も すべてを叩き売って 退路を完全に断ち切っての 新たな出発でした。
当時 この土地で バナナを栽培する者は おらず、 キチガイ扱いされてのスタートは 困難に満ちたものでしたが 不屈の信念と あふれるような情熱 そして 持ち前の研究熱心さで見事に克服し 今や この地は ブラジルの一大バナナ産地として 知られるようになりました。

その山田さんが 「この町を託せるのは ヤマダしかいない」 と強く推され いままでの恩返しと すべての住民が本当に住みやすい 町作りをと、 市長選に 立候補、 現職市長に僅差を付けて勝利したのです。 

2003年 
盛和塾日伯合同塾長例会
稲盛和夫塾長(現京セラ名誉会長)と、
左端が 私、 
右端が 山田さんです。

学歴はありません(中学も卒業していない)が、 とにかく勉強熱心で、 向上心はあくまで高く スナオで 謙虚でおごらず 本当に すばらしい人物でした。
  
こんな 日本人がいるということを知っていただきたくて 紹介させていただきました。
サンパウロ新聞の記事です。 ↓
http://www.saopauloshimbun.com/index.php/conteudo/show/id/10851/menu/8/cat/105



   今朝の富士山、 うっすらと 雪化粧