山寺の
和尚さん日記

炉前葬

22日、東京へ行って来ました。 檀家さんの お葬式です。 私にとって、すべてが 初めての体験でした。
近代的な民間の火葬場。 8つの炉がある広いフロアーの1角に祭壇があり、ここで立ったままの葬儀を勤めます。 与えられた時間は20分間、通常の葬儀の半分以下です。 前夜、それに合わせた「式次第」を作成し、一人でリハーサルをし、どんな場面にも対応できるようにと、衣帯(えたい=衣裳のこと)、仏具などもあれこれ準備しました。 結果、音の出る仏具は制限されたものの、ほぼ 計画通りに 執り行う事ができました。
近年、特に都会では お坊さんを呼ばず、家族・友人などで別れを惜しんで、そのまま火葬するというケースが増えているそうです。 が、私は これは辞めて欲しいと思います。 
「死」は、今回の人生の終わりではあるけれど、新たな旅立ちでもあります。(私は 命日を新しい世界での誕生日、と位置づけています) その出発の儀式は、魂が 霊界に入って行くという大前提において、僧侶が行うべきと考えるのです。
かつて、「千の風になって」が流行したとき、お墓に魂がないなら 墓参りの意味はなくなる、と反論した坊さんがおりましたが、私には 魂の不滅を アッピールしてくれたことが喜ばしく思えました。 同じように 映画「おくりびと」がヒットしたとき、真のおくりびとは僧侶だろう!?と 不快感を表した坊さんがいました。  私も同感ですが、「死=たびだち」 ととらえてくれたことには 感謝!です。
 さて 話はガラリと変わり・・・
「富士山ピースフェスティバル」が23日よりスタートしました。
「富士宮信金」2階のギャラリーを借りて、 『アフガン写真展』 
     
 
写真は「ペシャワール会」より」提供を受けました。 1984年、福岡出身の中村医師が パキスタンのペシャワール・ミッション病院に赴任。 以来、医療活動のほか 農村復興のための灌漑事業、農業事業等に携わり 現在に至るのですが、その活動を支援しているのがNGO(非政府組織)「ペシャワール会」です。 2年前、農業指導をしていた伊藤和也さんが拉致、殺害されたことを記憶されている方も多いと思います。
今回、お借りした写真からは 荒れた砂漠のような土地が 日本の技術と現地に伝わる工法をもって 見事に蘇ってゆく様子が 伝わってきます。 「こんな仕事に携わりたいなァ~」と、元土木屋の血が騒ぐ・・・慌てて「イカン、イカン 山寺の和尚さんが そんなこと考えては・・・」 と 打ち消す、もう一人の私・・・  
お近くの方、 是非 見に来てください。