「暮のお経廻り」 ようやく、ほぼ終了!
途中で お葬式が入る事を予想して 少し余裕のあるプログラムを組んだところ、その通りになりました。
プログラムは 近隣から だんだん遠くになり、最後に地元を廻ります。
今回、 地元だけは 弟子・泰潤を連れて行きました。
(見習いのうちは 足袋をはけません)
地元は 旧 柚野(ゆの)村といい、約40軒の檀家さんがあります。
彼にとっての初体験ですが
私にとっても 本堂や法要の席以外で
二人でお経をあげるのは 初めてです。
不思議なことですが 楽しい、と思いました。
声もよく出ているし、キイが ちょうど 3度くらい離れていて
きれいな和音になります。
檀家さんも 喜んでくれ
祝福や 励ましの言葉を 行く先々で・・・
地元ですから 子どもの頃からの顔見知りがほとんどで、お経の後 お茶をいただきながら あれこれと よもやま話に花を咲かせます。
1日あたりの廻る軒数は 大幅にダウンしますが 楽しい時間です。
「初めて お檀家さんを廻って どう思った?」 と 息子に聞くと、
「(日本の家の中に入るのも ほとんど初めての経験なので・・・) とても いい勉強になりました」 と・・・
「しゃべっている時間が長くて なかなか はかどらないけどね~」 と言うと
「あれが とっても大事だと思う、何ていうか お経よりも大事なことだと思った」 と 好印象でした。
正座の連続で きつかったと思いますが よい体験になった、と思います。
私が 初めて お檀家さんを廻ったのは やはり 得度したての 暮。 今から 11年前のことです。
檀家名簿と ゼンリンの地図を持ち、50ccのバイクで 一軒一軒 訪ねて行きました。 仏前での 所作も よく分からず、お経もろくに読めず、でも檀家さんは 皆温かく受け入れてくれて 夢中ではあったけれど とても楽しかったことを覚えています。
夜、檀家名簿を拡げ その日廻ったお宅をマーカーで消すのも 楽しみでした。
朝、寺を出発するとき、 とっても寒くて 「少年ジエットは 今日も行く~!」と大声で気合を入れておりました。
それから 毎年同じことを繰り返しています。
バイクは大きくなったけど 朝の気合は 同じ、 少年ジェットです。 (少年ジェットは 私が子どもの頃のヒーロー、バイクに黄色いマフラーがトレードでした)
『冬来りなば 春遠からじ』
私は この諺が 大好きです。
次のお経廻りは 3月の「お彼岸」
3月1日からスタートしますが 冬と同じ
防寒コートを着ています。
ですが それから 1週間~10日後の日中、
日差しが 温かくなって 防寒コートを脱ぐ瞬間が来ます。
そのときの 嬉しいこと!
全身に 春のポカポカとした風を受け
バイクを走らせる気持ち良さ、
口から出てくるメロディーは
「?緑のそよ風~ イイ日だね~ッ・・・」
「あ~ 自分はこの瞬間の喜びが欲しくて
寒い冬を耐えたんだ~」
と 毎年毎年思うのです。
苦しみが大きいほど 後の喜びも大きい。
その 喜びの日まで たった 3ケ月、 今からワクワクします。
*12月31日の夜 11時半より 「年越しの唱題行」
和ろうそくのゆらめきの中、 お題目を唱えながら 新年を迎えてみませんか?
興味のある方、 どうぞ。