山寺の
和尚さん日記

すべて宇宙の采配

映画 『奇跡のリンゴ』 のモデル 木村秋則さんの講演を聴くことができました。

東京新宿で開かれた 『日本を美しくする会20周年 ~鍵山秀三郎 掃除道50周年~ 記念大会』 での記念講演でした。 参加者は850名でしたが 1時間前に着いて 良い席を確保できました。

「リンゴでいうと、枝や葉や花、実など
目に見えるものばかり見ていてはダメなんです。
大事なのは目に見えない根。土壌なんです。」 
無農薬・無肥料でのリンゴ栽培という 
誰もが成し得なかった未知の世界に挑戦し、
紆余曲折の末 辿りついた結論。
鍵山秀三郎さんの お掃除も たったひとりで ただひたすらにこつこつと、 共感者が現れるまでに 10年、 
それが全国レベルに広がるのに さらに20年の歳月を有した・・・
木村秋則さん、鍵山秀三郎さんと それぞれの講演の後は 両者のトークショー



お二人に共通していることは 謙虚さと感謝の気持ちです。
木村さんは自らを 「リンゴお手伝い業」と呼び、 鍵山さんは 「掃除をさせていただく」と言う、 
どちらも リンゴ栽培や 掃除を通じて 学ばさせてもらっている、という姿勢を貫いています。


木村さんは 今も リンゴの木 一本一本に声をかけて歩くのだそうです。 
声をかけた木はリンゴの実をつけ 無視をした木が枯れてしまった・・・ という体験をもって 言葉は肥料にも農薬にもなると確信し、有機物に限らず 車や機械にも いつも声をかけるそう、
木村さんの機械は どれも旧式ですが壊れない・・・
このことって 頭のいい方からみれば 笑ってしまうようなことかもしれません、
ですが私はこの 「言葉のもつ力」 に大いに共感します。 
だから お経は声を出して はっきりと 解るように 読まなければならない、と思うし
何もわからない赤ちゃんにきっちりとした言葉をかける、意識のない病人に呼びかける、どちらも とても大事な意味あることと 信じます。

「すべては宇宙の采配」は 木村さんの言葉です。 特定の宗教は持たないそうですが 深い信仰心を感じます。 私が いつも信じている「すべては 仏さまのお導き」 と同じです。
そういえば 鍵山秀三郎さんも 河合寛次郎さんという陶芸家の言葉で、 「鳥が選んだ枝、枝が待っていた鳥」 を引用しながら 生まれたとき持ってきたカードに 「掃除」 と 書いてあった、と言われたれたことがありました。
 翌朝6時より 新宿歌舞伎町のお掃除、 参加者600名
 




  朝帰りの方や 早朝出勤の方が歩く 
  夜明けの歌舞伎町
  お掃除軍団が ひたすら ゴミを拾う


閉会式、鍵山相談役の挨拶 

  御年 80歳です。


  集められたゴミ
  トラックに一台分

 
「大切なものは目に見えない」 改めて いい言葉だと思いました。


明後日は もう3月、
いよいよ 春の彼岸の お経廻り、 日中は檀家さんを廻り、夜はひたすら 卒塔婆書きという 毎日が始まります。
私も 母も健康にて この期間が経過しますよう・・・と 祈りました。