山寺の
和尚さん日記

初心に戻る

毎年 1月10日は 一人で七面山に登ります。
今年一番の寒波襲来!との予報で しかも前夜が雨だったので 夏タイヤしか持たない私は 麓までたどり着けるかが まず心配でしたが、ともかく行ってみようと 朝4時半に出発しました。
いつになく慎重に運転をし 無事登山口へ、
真っ暗な道を 懐中電灯のあかりを頼りに歩を進めます。
七面山の登山道は 大変よく整備されていて 1丁(60間=109m)ごとに 石灯籠の標識が立っています。 
目的地である 『敬慎院』が50丁目です。、 
109m x 50丁=5,045m、 たった5kmしかないのか?と意外に思いますが ただただ登りの 5kmというのは かなりきついことで・・・
”まだ これしか来てないのかぁ~・・・”とイヤになってしまうので 標識もなるべく見ないようにしています。
26丁目をすぎたあたりから 雪道となり、アイゼン(鉄の爪)を装着して ハアハア言いながら登ってゆくと この立札!

「何度でも
初心に戻れる
七面山」

いつも思うのですが
まさに絶妙のタイミングで 現れる・・・
人は 苦しさを受け入れることによって
スナオに
初心に戻ることができるような気がします。
私の初心、
10年前に 僧侶になった
あの時の気持ち、
不安・希望・感動・・・
・・・忘れかけていました。
これが 標識です(33丁目)。

 
 
「登るほど
心澄みゆく
山道に」

”まさにまさに・・・”
と納得しながら・・・
雪道を 行く



47丁目の 『和光門』、 ここまで来れば 着いたようなもの。

雪の中の 『敬慎院』、 ”凛”として それでいて なんともやさしい 空気が 漂っています。 


マイナス13度でした。 
  
  
  
本堂で 「七面大明神」とお目もじをし 「僧侶の本分を全うさせてください」 と お願いしました。


「初心に戻る」  スナオな気持ちで 64歳をスタートします。