山寺の
和尚さん日記

秘湯・湯俣温泉

『富士山ピース&アートフェスティバル』
無事終了しました。
おかげさまで 大盛況!でした。 
今回の特色として 出演されたアーティストがスタッフとして 会場選定~チラシ作製~チケット販売~直前の準備まで 積極的に関わってくれたこと。 会場を埋めたすべての参加者の間に熱い連帯感が生まれたことが、何よりも嬉しいことでした。
ありがとうございました。



働きづめ(?)の私を気遣って、相棒・ミキオちゃんが 一泊旅行に誘ってくれました。
出発は 「ピースフェス」の翌日、早朝。 
母をデーサービスに出して遊びに行く、ということに多少の 後ろめたさを感じつつ、迎えに来てくれた 相棒の車に乗り込みました。
目指すは 長野県大町市湯俣(ゆまた)温泉。 七倉温泉から タクシーで 高瀬ダムまで行き、そこから 高瀬川を遡って徒歩で3時間のところに位置します。


「とにかくお寺のことを忘れろ!」とミキオちゃん。 
やらなければならないことが山積している状態がずっと続き 後頭部にしこりのような重たいものとして残っています。  気楽に過ごしていたつもりですが こんなものを抱えていたんだな~ と初めて思いました。
「トンネル抜けたら、忘れられるから・・・」 と再び相棒が・・・


長いトンネル(1km)を抜けたら・・・

別世界が広がっていました。




長い距離を歩くということも
久しくなかったのですが、
標高1500メートルのさわやかな空気と 
目に入る鮮やかな色が 快調に歩を進めてくれ、
ケイタイの電波も届かない、
という安心感(開き直り?)もあって
 
気がついたら 
後頭部のしこりが消えていた・・・

高瀬川の上流、水俣川と湯俣川の合流点、 いよいよ目的地間近・・・


川から湯気が出ています。


15分でゆで卵・・・

  

誰もいないので スッポンポンで 
そろそろと入ってみる・・・ 
ムチャ熱いお湯と 川の水の接点を探し、
足と手を使ってかき混ぜる・・・
淀んでいて ほどよく水とお湯が混ざる場所を見つけました。 
ワイルドでかつ情緒溢れ、
そして何よりも この解放感!
 まさに秘湯です。
         
                
          
                         (不思議な色)



その夜は 山小屋『晴嵐荘』へ。 
冬期間は閉鎖されるこの宿泊設備、
最後の週です。
夕食後、降るような星を心ゆくまで堪能した後は 9時に就寝、朝5時まで 一度も目を覚ますことなく グッスリ眠ってしまいました。 こんなに眠ったのも久しぶりです。
これはミキオちゃんが夜中に部屋の窓越しに撮影したもの。 手持ちで撮ったその技術もたいしたものだけど 夜中に起き上がって 写真を撮る、という根性が スゴイ! 
でも 窓から このような星が眺められる所って そうそうないと思う。
(台形のような形は窓枠、斜めの線は 外の洗濯ロープ)



 これが 泊めてもらった部屋、
 このカイコ棚に寝そべったまま 上の写真を撮ったそう・・・ 


翌朝、同じ道を3時間歩く。
猿が どこそこに居る。
最後の1kmのトンネルを抜け、無事戻ってきました。


今回の計画は 湯俣温泉~黒部ダム、どちらも 私が行ったことがない所でした。
黒部の扇澤駅から黒部ダム~大観峰というトロリーバス、ケーブルカーの往復切符5690円を購入して 10:30のバスに乗るべく改札口で待っているところに ケイタイが鳴り、檀家さんの訃報・・・
ここですべてを断念して帰路についたのでした。
坊さんの宿命ですが、黒部はオマケみたいなものだし、湯俣温泉で完ぺきにリフレッシュできたことに感謝! 
キップの払い戻しなし、は ちょいともったいなかった・・・  (扇沢駅の改札口)




無事葬儀も終わって、その翌日 またも訃報が入り、 本日が葬儀でした。(この10日間で3回です)
 
そして きょうは 母、ヨシエさんの87才の誕生日、 


毎年 変わり映えのしないパターンではありますが 今年もこの日が迎えられたことを 嬉しく思います。