1昨日朝、東京の檀家さんの 訃報を受け取り 東京へ枕経に行き、 一旦戻って、昨日昼に再度出発、
通夜~本日の葬儀を執り行って 夕方帰宅しました。 あっという間の 3日間でした。
さて 今回の東北のことを 少し。
3・11 で 亡くなられた方々の遺体ですが・・・
火葬場の処理能力を大きく上回る数の遺体を 遺族の了解を取った上で、いったん土葬して、後に火葬する 「仮埋葬」 という苦渋の対応がとられました。
15日、ボランティア作業が終わった夕刻、東松島市の 「仮埋葬所」 を訪問しました。
ズラッと並んだ 白木の墓標に 圧倒され、否応もない現実に 最初に被災地を見たときのショックが 蘇ります。
ベニヤ板で 仕切っただけのスペースに
埋葬します
身元不明者の遺体も
通路を縫って
お経をあげさせていただきました。
ここを管理する 市役所の方が来てくれて お話を伺うことができました。
ここに 仮埋葬された遺体は 400体近く、 火葬所の処理能力から 1日2体づつ 順番に火葬を進め、
現在190体が 残っているとのこと。
完全に終わるのは まだ当分先のことです。
地元の新聞には 100日が過ぎた今でも
被災者の方々の葬儀を知らせる訃報広告が
連日紙面を埋め尽くしています。
家族4名の葬儀も・・・
本当に 重い現実です。
あれから よく 「がんばれ!」という 言葉を耳にします。
私は どうもこの言葉が好きではありません。
この言葉が もっとも適している場面も もちろんあります。
例えば 疾走する駅伝ランナーに声をかけるときは この言葉以外は ちょっと見つからない。
しかし 苦しみや 悲しみの中にある人を励ますなら もう少し具体的な言葉を 使ってあげたい、と思います。
私の事務所が かつて床上浸水したとき もっとも嬉しかった言葉は 「俺にできること 何かない?」だった・・・
妻が死んだ時は 「いいから泣けッ! 俺も一緒に泣くから」
妻が 落ち込んでいる私に言ってくれたのは 「だいじょうぶ!!」 でした。
「がんばれ」 が有効なのは 少なくとも 信頼関係が成り立っている、 ということが条件のような気がします。
仮埋葬所の ある墓碑の前で
私の読経中 ずっとうずくまったまま 肩を震わせていた夫人がおりました。
私は 小さな声で「ご苦労様です」 としか言えなかった。