山寺の
和尚さん日記

さあ 何を食べる?

暮の お檀家さん廻り もいよいよ終盤、
昨日は 三島市~沼津市へ(興徳寺から東へ 約50km) そして 本日は 静岡市~焼津市へ(西へ約80km) これをもって 遠方はすべて終了、 明日からは 村の中を約40軒、のんびり廻ります。
何事もなければ 予定通り日曜日に終わるでしょう。
朝7時に出て 夕方5時過ぎに帰るという毎日で 昼食は基本的に外食です。
他のお坊さんに聞くと、少々遠くとも お寺に戻るという方が多く、中には コンビニでお弁当を買って 車の中で済ます、という方もおられました。 坊さんルックで お店に入るのが躊躇われる みたいです。
私にとって「何を食べよかな~」は、楽しみでもありますが お店を選ぶのは 一苦労。 何を食べたいかで まず迷い、やっとお店が決まっても メニューから一品を選ぶ、という決断が なかなかできない・・・ まったくもって優柔不断な性格なのです。
昨日は、富士市で 若い夫婦が二人きりでやっている 馴染みの 小さなイタリアンレストラン。 カウンターで あれこれ お話をしながら食べるのが 楽しい。 「パスタ!」までは決めたものの、その後 迷いに迷って 結局、メニューの最初に載っていた「小エビのトマトソース」にしました。(迷った時は 一番最初! と決めているのです) これが 当たり! クリームが入っていてまろやかで、とってもおいしかったです。
本日は 焼津市の インド人が経営する カレーのお店。 マトンのカレーと ナン(平焼きパン) を頂きました。 ナンだけで ルーを全部掬いとりたいのだけど 今日も先に ナンが無くなってしまい もう一枚を追加することに・・・ いつもこのパターンで食べすぎます。
さて 富士宮で 行くところ、 これは決まっています。
「蕎友館=きょうゆうかん」という お蕎麦屋さんです。

井出明久さんという若い店主と 奥さん それに ご両親という ご家族だけの ほのぼのとしたお店です。




明久さん は大学時代 京都祇園の老舗「ぎをん権兵衛」で 食べた蕎麦に感動し、 弟子入りして14年の修業を積み、その後、東京で2年、今度は江戸前の手打ち蕎麦を勉強をして 6年前に富士宮に帰ってきて このお店をオープンさせました。 
江戸前の手打ち蕎麦は よく練れていて 密度が高く 蕎麦本来の味が凝縮していますが 喉越しは とても滑らか。 また 出汁(だし=関西ではおつゆのことを だしというそう)は 老舗の味をそのままに受け継いで 本当に 絶品! これだけで このお店に来る価値があると 毎回 思うのです。 蕎麦湯で 薄めても 味がぼけない、確かな仕事の証 と思えます。
まず 蕎麦だけを 2~3本 食べてみる、 次に出汁を チョッピリ味わう、 薬味を少しづつ つまんでみる、 私の蕎麦セレモニー、 いい仕事かどうかが すぐ判ります。
どうぞ ホームページを覗いて 近くの方は 一度訪ねてみてください。http://www.kyouyoukan.com/sta14711/index.html
ブラジルにいた頃、日本から来た若者をお世話する機会がよくありました。 人種のるつぼ と言われる国で、多種多様な食べ物が楽しめます。 そこで私なりに あれやこれやと変化をつけて レストランに案内するのですが 1週間もすると決まって 同じリクエスト。 「マクドナルドに行きたい」  「ブラジルまで来て・・・・?」 「でも日本では 1週間に1度は食べていたので・・・」 そして案内すると 嬉しそうな顔をして「あぁ~ おんなじ味だ。」 と 言うのです。 
あの種の強烈な味は 麻薬的要素を 秘めているような気がします。 あえて否定はしませんが 手間隙かけた 職人の繊細な仕事を きっちりと評価できないような舌になってしまわないかと、それが 心配です。

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