山寺の
和尚さん日記

ほめあげ商法

昨日朝のTVをみて、「あっ今日はこのテーマで書こう」と思ったのですが、夜になったら 睡魔が襲って断念、まだ9時だったのですが、ほんとに夜は弱いのです。 いつも9時半~10時に寝ます。 朝は4時に起きます。 ずっと若い頃から早起きでした。 25歳からの5年間を北海道の建設会社で働いたのですが、彼の地では現場は朝7時に開始、作業員の方たちは6時過ぎには集まってくるで、我々スタッフも5時には起きます。 最初はビックリしましたが、それが習い性になったみたいです。でもあの頃は毎晩真夜中まで飲んで、ちゃんと起きて仕事していたんだから、若いというのはすごいことだと思います。
さて 『ほめあげ商法』とは・・・
「あなたの短歌を同人誌でみました。大変感動いたしました。つきましては先生の作品をより多くの方に紹介させていただきたく・・・」などという電話が突然入り、「先生」「先生」と呼ばれているうちにだんだんその気になって、掲載を承諾する。 その時に掲載料を同意するケースもありますが、たいていは後から法外な請求書が送られてきて、解約を申し出ると、「既に印刷されているので・・・」と受け付けない。怖いのは、いったん承諾すると、色んな業者が入り込んできてその数があまりにも多く、掲載紙自体が存在するのかさえ解らないというケースもあるそうです。 狙われるのは、ある程度余裕のある俳句や短歌の同人誌のメンバーや絵をやっている人、ほとんどが70歳以上で80歳以上の方も多いそうです。
ちょっとケースが違いますが、私のところにこんな電話がありました。 サッカーの試合(日本xパラグアイ)が夜中だったので、少し寝ておこうと8時に横になったのですが、9時過ぎに起こされた。お寺でこの時間の電話といえば たいていは檀家さんの訃報なので、少し緊張して受話器をとりました。
「はい、興徳寺でございます」 
『こちら 月刊00と申しますが、ご住職でいらっしゃいますか?』『月刊00はご存知でしょうか?』
「知りませんが・・・」
『実は、来月号で 「芝川町の寺社仏閣」 という特集を組みまして、女優の00さんが 0月0日インタビューに伺います。ご都合はいかがでしょうか?』
「あの~ 芝川町というのは もう存在しないんですけど・・・」
『あっ、そうですか~ 失礼いたしました。でも女優の00さんは ご存知ですよね~? あのおきれいな方です』
「知らないです(本当に知らなかった) それでちょっと聞きたいのだけど、私のお寺を取材するということで、取材費をくれ、とまでは言わないけれど、まさか私が お金を払うというようなことはないでしょうね?」
『いや、掲載料はいただきます。 女優さんが行くんですから・・・』
「あ、それなら結構です。 それからお寺の住職は朝が早いので、こんな時間には電話しない方がいいですヨ」
お寺の住職さんは、どちらかというと 人を疑う事を知らない、という方が多いので、よくこの手にのりやすい。 
色んな業者さんから、電話が入ります。 私はかつて、売り込みをかけていた側の人間なので、何となく相手の気持ちが解ります。 「結構です、ガチャン!」とはやらないようにしています。 逆についカワイソウになって買ってしまうこともしばしば。
「ほめあげ商法」で、高いお金を払った本人が、それなりに納得できれば それはそれでいいのだと思う。 高級クラブに一晩に何10万円と払っても、それに見合う満足度を本人が得られればイイと同じ事。でも、これは弱者を狙った詐欺です。
だから許せない。