山寺の
和尚さん日記

50年ぶりの沖縄

 

5月はこの小さなお寺で8件のお葬式が発生しました。

住職になって17年ですが初めての体験です(せいぜい月1~2回、無い月もあります)

檀家さんの訃報を受けて駆けつけて、枕経、その後に遺族から故人についての聞き取り、これはとても大切にしていて2~3時間かけます。その1~2日後に湯灌(ゆかん)~納棺の立ち合い、さらに1~2日後に通夜、翌日が葬儀~火葬、収骨の立ち合い~初七日忌~埋骨、とそれなりの時間とエネルギーを要するのですがこれが次々と重なるとまさに時間との闘い、だけど決して手抜きはせず、粛々と進めてきました。

 

そんな日々の中で前から計画していた沖縄旅行が実現でたこと、まさに奇跡の4日間でした。

今から50年前、沖縄に1年間滞在しました。沖縄が日本に復帰した翌年、1973年のことです。

それまで米陸軍工兵隊が施工してきた土木事業を日本政府が継続するにあたり日本からの大量の土木技術者が必要となり、大した技術もない私にも誘いがあって総理府沖縄開発庁の臨時職員となりました(業務委託という立場です)。

希望して沖縄北部の「福地ダム」の現場に赴任しました。翌年に海洋博を控え最後の仕上げが急ピッチで進められており技術的にも大きな学びを得ましたが結局完成を見ることなく、北海道の建設会社に就職し、そこからブラジルへ・・・

日本に戻って18年、彼の地を訪れダムを見たいとずっと念願していましたが、母が生存中は叶わずこのたびやっと実現したのでした。

それも沖縄の友人の会社の創立55周年の記念事業として講演を頼まれたのです。 友のイキな計らい! に感謝!!

沖縄の1泊目、朝ドラ「ちむどんどん」のロケに使われた古民家⇧が一組限定のホテルに生まれ変わり⇩そこに泊めてもらいました。

内部もすっかりリニューアルされ、朝食は地元のお惣菜。

 

2日目、

これが「福地ダム」、50年ぶりの対面です。

水が満々と張られています。

⇧この建物、管理事務所は私が赴任中にできあがったものです。

23才の私、できたばかりのダムの堤体と管理事務所、水は湖底にほんの少し。

名護市に宿舎を借り、役所のジープで送り迎えしてもらっていたのですが、ダムサイトに米軍時代から働いていた職員さんの宿舎があり、ここに泊めてもらえるようになりました。 沖縄各地から赴任していた方たちが6人、40~50才くらいだったと思います。同じくらいの歳の診療所の看護師さんがボランティアで食事を作ってくれ(これがメチャおいしかった)どういうルートかは知らないけれどスコッチウイスキーが飲み放題で、皆に可愛がられ本当にシアワセな日々でした。

沖縄本島最北端「辺戸岬」。滞在中正月休みに名護市から山の中の道なき道を縦走し、4日間かけてこの岬に辿り着いた、

装備はすべて米軍放出品、相棒が測量士でルートを正確に把握してくれたことが大きかった。

その相棒、私にとっての親友も30代の若さで逝き、改めて彼を偲んだ。

 

戦跡

今回の旅のもうひとつの目的は沖縄戦の戦跡を訪ね、そこでお経を唱える事。

限られた時間のなかで南部の戦跡の一部を訪ねるのが精一杯でしたが、知れば知るほど理不尽な戦であったと思います。

とくに一般県人の犠牲者が10万人とも15万人とも・・・

返す返すも悔やまれることは、50年前、戦争体験者がたくさん生存していた時代、なぜこのことにもっと積極的に関わり学ぼうとしなかったのか?ということ、

沖縄は私にとって特別の地となりました。 祈り、のためにまた訪れたいと強く思いました。

 

4日間、ずっとお世話になった友、

彼の自慢は1957年の「キャデラック」

乗せてもらいました。

67年前の車、維持していくことも大変ですがそこが楽しいのでしょう。 犬を飼うより大変だ、と思いました。

「運転してみる?」と言われたけど、断りました。

 

母の1周忌

5月には母の1周忌もありました。

今一番会いたい人は「おかあちゃん」、それを思うと胸がキュンとなります。

でも母がいなくなって、沖縄にも行けて、体操教室、歌の教室に通うようになり、

犬を飼うことが出来て、毎日散歩に行くようになりました。

散歩の途中にスマホで撮影。

今までスマホなんてと思っていましたがこれがなかなかの性能なんですね。

私の住むこの「柚野」という地、四季それぞれに魅力的だけど、私はこの水田に水が張られた今頃が一番好きです。

6月もそろそろオシマイ、5月でため込んだ仕事を片付けながら、毎日山で草刈り等に汗を流す毎日です。

(6月はお葬式 0 でした)

7月になると都会のお盆が始まり、月末に新盆のお宅を廻り、8月はお盆本番、川施餓鬼、すぐにお彼岸と一年でもっとも大変な時期を迎えます。

いつもの通り、手抜きせず、しっかりと進めてゆきます。

 

*桜の時期に「チャゲ&飛鳥」のチャゲさんが訪ねてくれました。

YouTube の「Chageのずっと細道、桜と富士山」で検索すると見ることが出来ます。 富士宮市浅間神社から始まって5分くらいで興徳寺になりますので、興味ある方、覗いてみてください。

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1 件の投稿

  • エミー より:

    こんにちわ!
    ご住職様ホントお忙しいかったんですネ
    念願の沖縄旅行実現出来て良かったです♪
    ご住職様は色んなご経験が沢山おありですから今のご住職様に
    繋がっていると改めて思いました。
    新しい趣味も増え益々ご活躍されると思います。
    今回もステキな写真ありがとうございました♪
    お忙しくなられると思いますがお身体ご自愛下さい。
    チャゲさんみてみます(^^♪