山寺の
和尚さん日記

七面山の誓い

毎年 3回は 七面山に 登詣(とうけい=登ってお参りすること)します。
春・秋と・・・
1月10日です。 今年も 朝の4時に出発しました。
 
春・秋は 同行者を募って(秋は1泊)行きますが、この日は いつも 一人です。
登り始めが 5時40分、 もちろん真っ暗、 懐中電灯の光だけが頼りです。
体が慣れるまでは 「キツイッ!」と感じるものですが、今回は 意外と楽でした。
なぜかと言うと・・・
先日、TVで 「三浦雄一郎さん」を観たからです。
「三浦雄一郎」; プロスキーヤーで冒険家、 富士山の直滑降~世界7大陸最高峰のスキー滑降、
そして 70歳と 75歳で エベレストに登頂、 そして 今年 ナント80歳で 3度目のエベレストの登頂を目指している。
三浦さんは プロスキーヤーとしての数々の偉業を達成した後、冒険家としての目的を失い、不摂生を重ねているうちに 身長164cmに対して体重85kg、というメタボ体形に・・・ 裏の 藻岩山という 500mの山にも登れなくなってしまったそうです。  
ですが 、99歳にしてなおモンブラン氷河の滑降という挑戦を続ける父親(故三浦敬三氏)から刺激を受け、エベレスト登頂という 目標が生まれ、徹底的な トレーニングを課して、世界最高齢(ギネスブックに掲載)での世界最高峰登頂という偉業を達成したのです。

80歳の今、背中に20kg 足首に2kgづつの ウエイトをつけ 1日2時間歩く、 自宅には酸素の量を調節できる特殊な部屋があって、低酸素状態の中 ランニングマシンで走る、 あるいは 夜 そのまま眠る・・・
何とも スザマジイ、 
80歳で現役の三浦さんのことを考えながら登りました。
「こんな坂、ナンダッ!」とつぶやきながら・・・


37丁目から上は アイスバーン状態、

アイゼンをつけます。

装着した状態(靴の裏です)

45丁目の
『和光門』、
寄付を募って 新しくなりました。 
ここまで来ると ホッとします。



                    『敬慎院』


                                    『龍神池』も 凍結しています。

この時期にしては 意外と暖かく(?) マイナス8度でした。
今回 三浦さんに背中を押され 上機嫌で 久しぶりに 登りのタイムをとってみたら 3時間ちょっと、 
全盛期には遠く及びません。
 上で 働いてい若いるお坊さんに「どれ位で 登るの?」と聞いたら 「普通で3時間、急げば2時間くらいです」と言うので
「2時間? すっごいね~」 と言ったら 「一番 早い者で 1時間15分、という記録が あります」と・・・ 
 1時間15分? 一般的に 4~5時間と言われている 急な登り道です。 小走り、という感覚なのでしょう、 スゴイ坊さんが いるものです。
それに刺激を受けて 帰りは ほとんど 小走りで 駆け下りてみました。
何とか 転ばずに 1時間ちょっと・・・  ですが 麓に着いて 停めてあった車の後部座席に座って 山用のシューズを脱ごうとしたら いきなり両足が つってしまい その痛さに 冷や汗・脂汗・・・
急激な運動をして 汗をかいて いきなり止まったので 冷えたのだと思います。 
おまけに 筋肉痛が 未だに とれず・・・ 
三浦さんが エベレストを目指して トレーニングを開始したのは おそらく 私の年齢の頃でしょう。
私は 誓いました。 
「80歳になるまで 七面山に登り続けます!」  
三浦さんの 80歳でエベレストとは 比較しようもないけど、それでも 達成できれば 大したもんです。