山寺の
和尚さん日記

731回忌

11月11日は 興徳寺の 『お会式』でした。

 庭のもみじ、  
 やっと色づきました。

「お会式」とは 日蓮聖人の 御命日に合わせて営まれる法要で 興徳寺にとって 檀家さんが一度に会する 一年でもっとも大きなイベント です。 

   受付の 男衆(オトコシィ と読みます)です。

   台所の 女衆(オンナシィ)です。
「法要」

    本堂は お檀家さんで 満席、 立ったままの方も・・・





  「高座説教」
法要の後の 法話、 今年は 日蓮宗伝統の「高座説教」です。  
「高座」と呼ばれる 台を この日のために 特注しました。
 
説教師は 
川手正順上人 です。
「私は 興徳寺さんから 車で1分、歩いて2分半という 大変アクセスのよい お隣 妙泉寺から参りました 川手正順と申します・・・」 と軽妙なテンポで 始まりました。



お経の一節を紐解きながら 自らの 苦しみや 感動の体験を織り交ぜ、日蓮聖人の一代記へと もってゆく手法は なかなかのもの、 笑いあり 涙あり 格調の高さありの あっと言う間の 45分間でした。

聴衆の 
真剣なまなざし・・・

「高座説教」を習得するには  一年に一度開設される 「日蓮宗布教院」にて 15日間の合宿研修を行い、 5回を終了した者が 試験を受けて 合格すると 晴れて 卒業! ということになります。 川手上人は 今年、2回目を終了されました。 これから先 大いに期待がもてる 若きお坊さんです。
法要の後は 庫裏にて 「お食事」 
興徳寺名物の きのこの 炊き込みご飯、 それに 味噌汁、 貯蔵しておいた 竹の子、蕗の煮付け 等 いたって素朴な田舎料理です。
 
狭い場所で スタッフは 
テンヤワンヤの 
大騒ぎ・・・ 
これも お会式の 
風物詩 です。

日蓮聖人の 御命日は 弘安5年(1282年)10月13日、 今年の お会式は 実に731回忌ということになります。 これくらいになると 年忌と呼ばず 遠忌(おんき)と呼びます。 
興徳寺は 200軒ちょっとの檀家さんですが 50回忌が営まれるのは 年に2~3回、で 50回忌以上は 私は体験したことはありません。 
自分の死後 50回忌をやってもらえる、と確信できる人って いるかな~? 



家族制度の崩壊が 叫ばれて久しいのですが  それは 遠い御先祖様に思いを馳せ お守りする、この日本人特有の 伝統が 崩壊しつつあることと 無関係ではない、と 思えます。  私たち 宗教家の 責任でもあります。 
「せめて 50回忌を 勤めていただけるよう 檀家さんに 働きかけよう」  宗祖の731遠忌を 終えて そんなことを 考えました。 
明日は 七面山に 行ってきます。