3ケ月ほど前のことです。 小学校時代の同級生の女の子(と言っても62歳ですが・・・)から ℡があって・・・
勤め先の 有料老人ホームに 最近入居されたMさん(75歳)が ご主人の 月命日にお経をあげてくれるお坊さんを探している・・・ とのこと、 日蓮宗、と聞いて 幼馴染の私を思い出してくれたのだそうです。
「で、誰か心当たりある?」と言うので
「僕でよかったら 行かせてもらうよ」 と答えたのです。
こういうご縁がいただける ってこと、 お坊さんになって よかったな~ と思いました。
![](https://kotokuji.jp/img-blog/IMG_77810.jpg)
それから、ホームを訪ね、一緒にお経をあげ、お彼岸や 花まつりには Mさんが 興徳寺に来てくれて、
そして先月・・・
![](https://kotokuji.jp/img-blog/IMG_78220.jpg)
お経の後、
「大震災で 両親を亡くした子どもたちと、
それから 被災したペットのために
少し寄付したいのだけど、
今度、東北へ行く時 持っていってもらえませんか?」
と申し出られました。
3度も流産して、子どもはできなかったこと、
その代わりに ずっと犬を飼ってきたこと、
「年金暮らしの 年寄りのすることですから
大したこともできませんが・・・」
と付け加えられました。
![](https://kotokuji.jp/img-blog/IMG_78300.jpg)
その数日後、
お寺に いきなりMさんが 現れて、
銀行から卸したばかりの お札の入った封筒を差し出され、
「200万円あります。100万円を東北へ、
残りを本堂の改修工事に使ってください」と・・・
ビックリしましたが、 ありがたくお預かりし、Mさんの意に沿うべく、調査を始めました。
そして 福島のペットを収容している施設と、石巻市の 震災遺児奨学金に 取り次ぐべく、その旨伝えると、
ナント その3日後、 さらに300万円を・・・
![](https://kotokuji.jp/img-blog/IMG_77860.jpg)
「ちょうど 満額になった定期が500万円あって、 奨学金の話を聞いたら すっかり嬉しくなって・・・
全部持っていってください、 流産した子どもへの 罪ほろぼしです。 あぁ~、すっきりしたッ」
本当にサバサバした表情でした。
決して裕福な方ではないと思います。
でも 老人ホームの費用は 年金で賄えるので、 その他には 何のお金も 必要ないとのこと、
「明日にでも死んでしまうかもわからないのだし、」 と・・・
![](https://kotokuji.jp/img-blog/IMG_78490.jpg)
喜捨という言葉があります。 もともとは 仏教の 「四無量心;慈・悲・喜・捨」 という4つの言葉から きたものと思われますが、
「捨てる」 ということは とても大事なこと。
何を捨てる? 執着を・・・です。
捨てるために 必要なのは、 勇気ではなく 覚悟。
気持ちよく捨てられたら、 楽になるでしょうね、
![](https://kotokuji.jp/img-blog/IMG_74520.jpg)