山寺の
和尚さん日記

お寺のあり方

得度して 坊さんになって 7年が過ぎました。 住職に 就任してもうじき5年です。
ずっと考えてきたこと・・・ お寺って 何をするところなのか、 世の中に必要なもの? 
興徳寺をお預かりすることになった私が 常に願うことは 
「このお寺と ご縁があったすべての方々にとって ここが ”魂のふるさと” であって欲しい」 ということです。

桜の季節、 今年は 上の駐車場に一切 車を入れない、という作戦(?)が 功を奏したか、 カメラマン以外の 多くの一般の方々の姿を見かけました。 ご家族 あるいは お仲間たちと 境内を散策したり、 桜の木の下の ベンチに座って 富士山を眺めたり、 持参のお弁当を食べたり・・・ 
そういう方たちは たいてい 本堂の前で 立ち止まり きちっとお参拝をされていかれます。 
ここが ただの 桜の名所 ではなく お寺 である、 ということが 認識されたようで とても嬉しく思います。
〔カメラマンの方たちは 写真を撮るために来ているので そういうこと(手を合わす)には 気がまわらないみたい〕
1昨日は 私が通う 書道教室 「恵泉書院」の 練成会会場として 興徳寺を使ってもらいました。

庫裏のすべての部屋を解放し
お弁当持参で 1日 みっちりと 
お稽古に専念しました。 
最近は 私以外にも 男の生徒さんがいます。

興徳寺の 大門脇に住む 遠藤さん、 もうじき80歳ですが 子供の頃から ずっと興徳寺とともに 生きてきました。
今も 一日2回、 駐車場を 愛犬と散歩しながら 気がついたことを ちょっと遠慮がちに話してくれます。
昨日、玄関にどっかと腰を下ろされ 「ちょっと話したいことがある」 と言うので 何だ と思ったら 
「どうして こんなにも たくさんのカメラマンが来るのか 聞いてみたら、 『富士山の廻り 一周しても これだけの大きな桜が まとまっているところは 他にない、 是非 大事にしてください』 と言われた、 ムカシから見てきたので あまり感じなかったけど、 大したもんだということが よく分かった、 大変だろうけど これからも頼むよ」 と・・・
長老に そんなこと言われると ちょっと嬉しいですネ。

興徳寺の桜、 本数は 若い木を入れても 30本くらいしかないのですが、大きな木=古い木 が多い。
今朝も 植木屋さんに来てもらい、 庭全体の レイアウトなどについて 打ち合わせました。 今の木を 少しでも 永く保つことと よい桜を 増やしていくことを プロの手を借りながら 進めていこうと思います。



        今朝の富士山、 桜も 今がピークです。