山寺の
和尚さん日記

ていねいな生き方

お葬式が入って 予定では終わっているはずの 暮のお経廻りに 本日も・・・ 
ブログの更新の遅れた理由も ついで お察しください・・

亡くなられたのは98歳の長老ですが 農家の惣領として 物心ついたときから 今年の夏まで じつに90年間を 土とともに 過ごしました。 「名もない 百姓のオヤジですが 偉大なる オヤジでありました」 と 通夜法要で・・・
こんなエピソードを 紹介しました。
「武夫さんは “道具は命だ”と言って とても大事にされたそうです。 一日の作業が終わると、必ず すべての道具をきれいに水洗いし 所定の位置に収める。 それは 父親から 叩き込まれたそうです。 施主であります 息子さんの哲男さんも そのように教えられ 実行しています。 一見何でもないことのようですが 実はこの さもないような平凡なことを やり続けた人こそ “偉大な人” と称されるのに ふさわしい、と思えます」

(朝の お勤めを 終えて 
  本堂の廊下から・・・)
東の空に 細い 三日月、
桜の枯枝のシルエット
それは それは 
息を呑むような 美しさ、
カメラを取りに すっ飛んで 
慌てて三脚をセットしましたが、
暗いのと、 
寒いのと 
慌てているのとが 重なって
やっと収めた ワンショット、
この後 
一気に明るくなって
しまいました
 

私の母は お風呂に入るとき 脱衣所で 脱いだ洗濯物を 軽く畳んで バケツに入れます。 
それは 多分 幼い頃にしつけられたことなのでしょう。
86歳、認知症の今も 変わりません。 
私が そのことに気がついたのは つい最近のこと・・・
そして 自分が それを実行するまでに また 少しの時間を要しました。
自分が洗う・他人が洗う に関係なく、 いつも そうすること、 
それは ていねいな生き方、の証、だと気づかされたのです。 
今まで 放り投げていた 洗濯物を 私も 畳んで入れるようになりました。
亡くなられた 武夫さんが 明日使う道具を きれいに ていねいに 洗っていたように・・・




「ていねいな生き方」、 ズボラな私の もっとも 不得手なことですが 心がけてゆきたい、と思います。



明日から 東北へ 行って来ます。 出発は 朝3時だそう。 早く支度をして 寝なくっちゃ・・・