山寺の
和尚さん日記

したたかな生き方は

雪が降っています。 夜半から降り出し 午後3時現在、 20cm以上の積雪となりました。
私の記憶の中の興徳寺で最大の積雪量です。



本日予定していた『責任役員会』を 明日に変更しました。 
お寺の “株主総会”と位置づけ、
それなりに プレッシャーも感じていたので ちょっと拍子抜けです。 

久しぶり、本当に久しぶりの誰も訪ねて来ることもない、静かな日、 
思いついて 母と雪見遠足!?
着せられるだけ着せて 車イスで 本堂の廊下まで・・・


 

「うわ~ スゴイッ!、 キレイだね~」 
と 大喜び、
寒くなったので 一度戻って 暖かいお茶を飲んで、 再び・・・
「子どもたちは 大喜びだろうね~」

廊下で 庭木に手が届く所に止めたら 
「ネ~ 雪、取って~」

ひとすくいの 雪を持たせたら パクッ! 
「おいしいよ~」
宮沢賢治の詩、“永訣の朝”を思い出しました。
純白の雪のように 穢れのない 母の心、 
まるで少女のようです。




このところ 私の心の一角を 何とも言いようもない重たいものが占めています。
“佐村河内守” 
昨年の NHKスペシャルを見て 感激し、 彼の著作、CD, DVD, など 出版されたものは全て取り揃え、今年4月の 静岡での演奏会チケットも1年前に購入し、最近では あの難解な交響曲を自分の身体に覚え込ませてから コンサートに臨もうと 毎日毎日聴き込んでいた。
昨年4月には このブログでも取り上げ、 
そればかりか 被災地の方々や 病気と闘っている友人にも 本とCDをセットにして 励ましのメッセージとともに 送った。

「騙し続けて 欲しかった」 第一報を聞いたときは 正直そんな風に思いました。

ゴーストライターの存在など、出版界では当たり前の話、
アシスタントという位置づけなら美術界の大御所にも・・・
あれだけの大曲の スコア(総譜)を書くのに 
プロの音楽家の手伝いは 必要だろうとも思った。
ところが 話はそんな単純なことではなく、
 
“全聾の天才作曲家”が 実は聴こえていた、
だけど
ピアノは弾けない、 楽譜は書けない、
つまりは 最初から最後まで すべてが 詐欺であった・・・と
そういえば・・・ あのしゃべり方、全聾にしては流暢だな~ と思ったことがあった。
曲作りに苦悩している姿ばかりで 記譜するところをなぜ撮させないのだろう? と思ったこともあった。
金欲・名誉欲・自己顕示欲 等々・・・ 己の欲のために 悲劇の天才!を演じた、稀代のペテン師か?
彼からのコメントが 何もないので、 本当のところは まだ分かりません。
 “したたかな生き方” は 嫌いです。
でも 少なくとも 被災地で流した あの涙は 本物だ、と信じたい。


自省の意を込めて 昨年のブログを提示します。 http://kotokuji.eshizuoka.jp/e1049037.html
私は 大きく傷つきました
が、 私によって 心を動かされた方がいたとしたら、 私は その方を傷つけたことに・・・
何とも言いようもない気持ちとは そこのところです。
申し訳ないことをいたしました。