山寺の
和尚さん日記

無明


富士宮市井の頭の「ミツバツツジ」
桜が終わってから、毎日外で作業をしています。 
会計のことだとか、過去帳の整理とか、デスクワークは山積しており、何よりも机の廻りやファイル・キャビネットの整理等、気になることもいっぱいあるのですが、天気がいいと外に出たくなります。
妹たちが育ててくれたチューリップです。




カメラをぶら下げて田んぼの廻りを歩くと、今が田植えの真っ最中。 皆が作業しているのに自分だけが遊んでいるようで、とても後ろめたい気になって戻って来てしまいました。


この季節の外の作業はナントいっても「竹の子」です。
今年は裏年といって前年の半分以下、 山をくまなく歩いて丹念に掘って~茹でて~配る・・・ 
毎年配っているお宅には何とか義理を果たすことができましたが、秋の「お会式」用の確保がまだできていません。

竹林の「シャガ」の花も 楽しみのひとつです。 興徳寺の敷地内に 何カ所かこの「シャガ」の群生地があります。

「竹の子」以外では、山や庭の手入れです。 
温かくなるとあっと言う間に雑草が・・・ 
私が思う、雑草ワーストスリーは ①ヤマソ ②スギナ ③ドクダミです。 いずれも地下茎でつながっていて根本的な退治ができません。 
とくに厄介なのは 「ヤマソ」 で ほおっておくと1mにもなり、しかもどんどん増えてゆきます。
心配なのは「彼岸花」の群生地に入り込んで来てしまっていることです。 刈っても勢力増大するばかりだし、除草剤では、彼岸花にも影響を与えそうだし・・・ 

「ヤマソ」(正式にはカラムシ〈茎蒸・苧麻〉と呼ぶらしい)

懇意にしている庭師の方からいい話を聞きました。 ゴムの長手袋の上から軍手をし、その軍手を除草剤の液に浸しながら、「ヤマソ」の葉っぱの表面を撫でてやること、そうすると葉っぱから成分が茎に伝わり、最終的には根から枯らしてしまうことができる、というものです。
さっそく実行してみましたが、除草剤を溶かしたバケツを持って、葉の一枚一枚をナデナデしてゆく、というのは簡単なことではありませんでした。 広大な面積に群生しているヤマソの数もまた膨大なものです。

作業をしながら改めて考えました。 彼岸花を守るために、「ヤマソ」を悪者扱いしているけど、それってまったく身勝手な理屈だなぁと・・・ 「ヤマソ」に何の罪もないのです。 人間が快適な生活を営むために、
「雑草」と名付けた植物(それぞれに名前だってあるのに)を排除してしまうのです。
葉っぱを一枚一枚丁寧に撫でてあげることが、せめてもの罪滅ぼしか? とも思いました。
「ゴメン」といいながら・・・ 
      
約一日がかりの作業を終えた翌日、「春の嵐」がやってきて ほんのわずかな時間でしたがドシャ振りの雨、すべて洗い流されてしまいました。 「ああ~」

人間が持つ根源的な身勝手さを「無明(むみょう)」と呼び、これを認めつつ制御することが「修行」です。
「雑草との果てしなき闘い」と思っておりましたが、すべては「修行」なのです。