檀家さんのおばあさんが亡くなられて(行年98歳)、その子どもたちから聞いたお話です。
「とても優しかったけど 、ご飯の食べ方から 所作、振る舞いまで そりゃうるさかった」「そうそう 『畳の縁は踏むな!』 な~んてね」
「寝る前はさ~、脱いだ服をきちんと畳んで、両手をついて 『お父さん、お母さん、お休みなさい』だもんね~」
「それで 今も 脱いだ服を畳んで寝ますか?」と私、
「しない、しない・・・ 子どもの時だけですよ~」
どうせ 明日着る服を どのように置いても 何の問題もない、メンドクサイか 時間の無駄か? だけど 誰も見ていないこの行為を ずっと続けられる人って スゴイ!と思います。
『寒行初日』
18:45
出発前に 本堂で 皆で
お経を読む。
この日の参加者
計32名。
1昨日より 『寒行』が始まりました。 今年でちょうど10年です。
スタート前、
今日のコースの説明と
注意事項等を話す。
最初は お坊さん4人で 村の中を行脚(あんぎゃ)しておりましたが だんだん参加者も増え、今では 30人以上が 凍てつく夜の道を元気に歩いております。
15日間皆勤の方も多く、「苦しいけど 楽しい」と 皆 張り切っています。
でも 遊び心だけでできることでは無論なく、「修行させていただいている」 という謙虚で強い心があるから続けられるのだと思います。
私自身でいえば 皆をまとめ、事故を起こさない、という立場上 あまり余裕もないのですが、 凛とした空気と空と地が溶け合った中を自分自身の体までが「南無妙法蓮華経」の中に溶けてしまっている感触を味わうことがあります。 まさに至福の時です。
何のために 服を畳む? 何のために夜歩く? まったく関係のないことですが 理屈を超えた何か、 続けることによってのみ得られる価値、というものがあるような気がします。
私の母は お風呂場で 脱いだ服は一々畳んで籠に入れる。最後の下着、それは紙オムツなのですが 畳んでそっと下に隠す。 洗濯物も 畳んでバケツに入れる。 認知症となっても残ったこの行為、 わが母ながら 上品だと思います。
私も 「脱いだら畳む」を 再開しました。 せめてこれくらい 習慣にしてみたい。
『お寺でマルシェ in 興徳寺』 というイベントが開かれました。 ハンドメイドクリエーターの女性たちが中心となって、子育てママたちのネットワークを広げている青空市で 「興徳寺の境内を使わせていただけませんか?」 という申込みでした。 かつては 宗教行事以外には 使わない、と このような催しは断っていたのですが、 若い方たちにお寺を知っていただく良い機会、と引き受けました。 手作りの工芸品、アクセサリーや雑貨、洋服や食べ物のお店まで 26店舗が 所狭しと境内に店開きし、 何よりも 販売する側も客もすべて若い女性、というところが 圧巻でした。
孫のための ベビー用品を
衝動買いしてしまいました。
『寒行案内』
スタート寺院 20~23日;興徳寺、24~26日;妙泉寺、 27~30日;三澤寺 31~3日;妙覚寺